2012-10-12

10/10和訳:屋根の上から


屋根の上から(パチャ撮影)


私たちは来月(11月)から始まる海外でのバカンスに向けて、家の周りの片づけや準備をしています。
太陽光パネルと屋根の掃除をしようと、屋根に上る準備をしていたら、パチャがリスのようにすばしっこく梯子をよじ上っていきました。屋根は高さ5m(16フィート)、約30度の傾斜があります。

「パチャが屋根から落ちるかもしれない…」、「あんなに高いところに上らせたらダメ!」、「(子どもをあんなに高いところに上らせておくなんて)親として無責任な態度だわ」、「(子どもをあんなに高いところに上っているのを見たら)ご近所さんはどう思うかしら…」、私の頭には、様々なシチュエーションが次々に浮かびあがってきましたが、パチャがすばやく、しかも堂々と軽快な足取りで上っていくので、私はかろうじて「気をつけてね」とだけ呼びかけました。

屋根の上に立ったパチャは、そこからの世界を眺め、写真を撮り、嬉しそうにしていました。パチャは山ヤギのように確かな足取りでしたし、薄いトタン屋根がかすかにきしむ程度の軽い身体でしたので、私は彼女の願い通り、屋根みがきをさせることにしました。



そうして、私は屋根のといから長年積もったゴムの葉を掃除し、パチャは大きな箒と石鹸水の入ったバケツを持って掃除を始めました。その作業はものすごく楽しくて、やりがいと充実感に満ちていました。私とパチャがチームになって掃除すると、屋根は見違えるほどにきれいになりました。水は淀みなくタンクの中に流れ、屋根を覆っていた埃や汚れもなくなり、パネルには太陽の光が降り注ぎ、屋根は再び元の緑色に戻りました。


時折、パチャが足を滑らせて屋根から落ちるんじゃないかという思いが脳裏をかすめ、「もし落ちたら、体を丸めるようにして、うまく落ちなさい」とパチャに注意しようかとも考えました。

でも私はそうしないで、パチャがこれまでの経験で身につけた判断力とそうさせてきた自分のやり方を信じることにしました。「パチャはこれまでの11年間、木登りをしたり、オリーの馬上で片足立ちしたり、サーフィンで宙返りしたりといった危ない遊びをする時は、自分で気をつけて責任を持って遊んでいた」と。私は不安に駆られ、さらにその不安を子どもに押し付けることから自分自身を制することができたのです。そういう心境に至ることで、目の前のスリリングな現実からつかの間の休息を得られました。

私は、読者の皆さんに、お子さんが不必要な危険を冒す責任を負うことを薦めているわけではありません。でもひょっとしたら、危険と恐怖に満ちたこの現代の世界においてこそ、子どもたちはすばらしいことができると私たちがそろそろ信じてあげるべきかもしれません。だって、その危険だと思われていることこそが、子どもたちが無我夢中になれるいのちへの愛情表現の場であり、地球という暮らしを成り立たせている場だからです。



私たちは先週、道路で轢かれそうになったニシキヘビを助けてあげました。パチャはその蛇を触りたがっていましたよ…。



写真:ヤニは目玉焼きを焼きました

【翻訳:原田真里】

No comments: