2012-08-29

8/23和訳:・オリンピック報道に思う~スローに、深く、スマートに


2週間前、オリンピック元スノーボード代表選手のクリスチャンが、私たちの家「森の声」(と命名しています!)を訪ねてくれました。夕暮れ時、たき火のぱちぱちという音を聞きながら、私たちは子どもたちのことについて語り合いました。この先、私たちや彼らに訪れるであろう試練について、子どもたちがやると決めたことは、それが何であろうと、親としてしてあげられる最善を整えてあげたいということについて、などです。

彼は「ドイツのユーススノーボードチームのコーチである私の仕事の多くは、幼いころから両親や学校、一般社会の中で選手たちの頭に植え付けられた「固定観念」を取り除くことなんです」と話してくれました。おそらく、彼は「自由」について、特に「何かが起こるかもしれない」という恐れから解放される自由について、話をしてくれたんだと思います。

私たちは、「信頼」という感情についても話しました。それは、誰かに授けられるものではなく、私たちみんなに本来備わっているもので、内面から自分を導いていくものではないかと。

それから、体中で喜びを感じることが子どもたちにとって当たり前に認められる必要があることについても話しました。ただ繰り返すだけの退屈なアクティビティではなくて、自由に走り回って追いかけっこしたり、木に登ったり綱渡りをしたり、逆立ちしたり、ダンスし、歌ったりすることで、この地球の上で楽しみながら生きている実感が身体中で持てるはず・・・。

さらに、オーストラリアのような先進国で、多くの子どもたちが毎日食べている食事や栄養のひどさについて、意気投合してしまいました。つまり、人々は過剰摂取なのです。脂肪や砂糖がいっぱいで、いのちを育むために体が本当に求めているミネラルが欠けた食事。シンプルでオーガニックな食事からこそ、そういった栄養が摂れるのに。

クリスチャンとの会話を通じて、私は親として(多かれ少なかれ)正しいことをしてこれたんだと感じることができたことは大きな自信となりました。また、このブログの読者のみなさんは想像できると思いますが、オーストラリアの大部分の人々が「原始的すぎる」と敬遠する私たちの家について、スポーツ界のスターである彼からコメントをもらうことができたのは収穫でした。

こんな風にして、ヨーロッパからのお客さんは、私たちの暮らしに触れ、これこそが「生きること」なんだと確認して帰っていきました。それはつまり、シンプルで、低コストで、自然に囲まれ、お金のしがらみもなく、それでもなお良い生活を保つための便利さは十分にある暮らしのことです。


オリンピックの期間中、地球全体がテレビの明かりに包まれていたことでしょう。我が家のテレビがオリンピックのチャンネルになることはなかったけど、それでもまだ子どもたちはその模様を学校で少し見たし、私もインターネットで折に触れ、ニュースを見ました。

私が見たオリンピックの第一印象は、企業のロゴだらけ!それは企業に支配されてる感じがしたし、やる気や献身、達成といった本来のオリンピックが持つ性質でさえ、「所有」されているようにも感じました。そしてその間、何千の人々を死に追いやるジャンクフードや甘いジュース、化学物質だらけの食べ物を売っていたのです。本当にミスマッチですよね!


オリンピックのスポンサーたちが出すような食事で、トップに上り詰めたアスリートたちがいると思いますか?そんなのありえません!ああいった類のCMがどれほど子どもたちを混乱させることでしょう。

そして、子どもたちがテレビの前に座った時から、企業ブランドが彼らの心理に埋め込まれていくことを、どれだけの親が危機感をもっているのでしょうか?!

【翻訳:戸井田千尋】

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