2015-06-09

役に立つということ


2015521日掲載分


先週から私は義弟がキッチンをリフォームするのを手伝っています。

私の妹夫婦は築40年の家にあるキッチンと15年間付き合ってきました。薄い合板のキッチンカウンターで、引き出しがガタガタと開けにくく、シンクは一つで、錆びたオーブンの上には使えるコンロは一つだけというものです。まあ、3人の子供を抱えた妹夫婦の家では、キッチンを買い替えるという大きなことを真剣に考えるには生活が忙しすぎたらしく、また、お金もかなりかかるので、なかなか実現するのは難しいと思っていたようです。

そこで私は彼らを勇気づけ、そして説得しました。私たちみんなでやってみましょうと。キッチン台は自分たちで組み立てられるし、配線や配管だけ工事を頼めばよいので、ほんの数日で全てできるのです。今はまだ工事の途中ですが、こういうプロジェクトは子供たちにとってもどうやって取り組み、そして助け合うのかを目の当たりにできるし、自分たちでやり遂げるDIYの力を体験するよい機会なのです。

私は今までの人生で取り組んだ物造りや建築のことを思い出しました。エクアドルやウームバーでの経験、そして母親の家でのことも。リサイクルの材料を見つけ出し、それをみなうまく組み合わせていく方法を考えたのです。そこには知恵や工夫に好奇心、そして実行力や決断力といった、子供たちにとって大変重要で役に立つ素養が発揮されるのです。また変化に対して柔軟であることも大切です。

しかしながら、私が今現在最も楽しんでいることは、他の人の役に立っている、ということなのです。それはたぶん「地球を救おう」という運動を推進していくようなことと比べたら取るに足らない小さいことかも知れません。でも、子供たち、母親、そして妹とその家族など私の周りの人たちのちょっとしたことを助けることができる存在であること、それは私にとってとても深く充実した満足感をもたらせてくれるのです。

【翻訳:中久保慎一】

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