2010-06-10

5/22和訳


一日がゆっくりと短くなり涼しくなってくればくるほど、私たちの家は居ごこちがよくなります。朝、北から陽の光が差し込むとパチャとヤニは敷物の上にすり寄ります。オリーの温かい背中にまたがって森を散歩すると気持ちがいいです。紫外線から身を守るための帽子なんか必要ありません。

ここ数日間で私たちは薪を集めました。だるまストーブに火を灯す時期がやってきたのです。ストーブの上でスープを料理したり、マシュマロを焼いたりします。
スローハウスプロジェクトは少しスローダウンしています。と言うのも、今は庭に注意が必要だからです。フクロネズミとワラビーがサツマイモ、いちご、レタス、トマト、トウガラシといったあらゆる葉物をたった二晩で食べつくしてしまいました。幸い、彼らが背の高いバナナの木までは到達することができなかったので、なんとかお腹を空かせたフルーツハンターから守ることができました。ということで、私たちの食糧源である野菜畑を守るために、囲いを作らなくてはいけません!

最近、旧友が数日間訪ねてきました。私が最初にカレンと会ったのは金沢で、彼女がカフェバー'沖合'をちょうど始めたところでした。オーストラリア出身の彼女は当時まだ若く、日本語が全く話せませんでしたが、彼女のプロジェクトを「うまくいきっこないよ」と言う人たちの声にはまったく耳を傾けませんでした。

彼女はオーストラリア人的な温もりとお日様のような人柄で、カフェを軌道に乗せようとがんばっていました。時々、私はそのお店で歌ったり、彼女が外出している1週間、お店を切り盛りしたこともあります。それらは全くの新しい経験でした!
カレンはいわゆる活動家ではないけれど「自分の信念やハートをもって積極的に取り組み続ければ、どんなことでも成し遂げられる」と言う彼女の人生哲学は、私に共通するところでもあります。経験、つながり、そして人生の意義を見いだすことは「豊かさ」のための貯蓄より重要です。彼女は、GNH的な思想を家族とも分かち合っています。

カレンは今、夫と子どもと、オーストリアのアルプスのようなところで、ハイジのような生活をしています。彼女たちが暮らす家は、彼女のお父さんが山から取ってきた木で建てた手づくりの家です。

その村は小さいけれど伝統的なコミュニティで、彼らが長年暮らす中で培われてきた経験が文化として根付いています。それはまさしく自給自足的なスローライフと言えるでしょう。けれども、今、外的環境の急激な変化により、彼らの伝統的な暮らしが脅かされているようです。

変わったもの、それは私たちの価値観です。長期的な視点でケアしていくという文化から、短期的で「今」しか見ない文化への変化。つまり、子ども、そのまた子どもが生きていけるよう、彼らを支える環境そのものを維持していこうという視点が抜け落ちてしまったのです。

現在、共同体としての土地は分割され、売却され始めています。伝統的な家は手入れされないまま放置され、人々は現代の便利さを追求していきます。そのことは私に日本各地の田舎を思い出させます。

カレンと彼女の夫は古民家の一つを救い出し、改修する計画を立てています。新しいものを建てるために取り壊すのではなく、低エネルギーで持続可能な家としてリデザインするのです。

さて、今の私にとって最大の課題は、他人の確立されたやり方を脅かさずに新しいアイデアを紹介していくことです。PTA会長である私は、学校組織の中で、凝り固まった順応主義の意見に出くわしています。それらの意見が、より地球に優しい考え方や行動につながるよう、優しく、前向きに取り組んでいます。

自分の子どもたちを型にはまった公立学校に通えるよう私にできること、それは、私がこれらの組織に関わり、子どもたちを新しい考え方に導いてあげられるかということです。
現在、友人ティナと私は校庭で野菜を育てるフードガーデンと子ども聖歌隊に取り組んでいるところです。私たちが取り組まなかったら、これらの活動は子どもに手の届かないものとなってしまうでしょう。

時々、「私って、でしゃばり?」と思うこともあります。
でも、私がしなければ誰がするんでしょう?今やらなければ、いつ?
(翻訳:田中みのり)

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