2014-07-28

ヤニ、11歳

2014年7月17日分


明日は、息子ヤニの誕生日、
11歳になります。

ヤニと過ごしてきた年月を思うと、心から幸せな気持ちになります。

周りを和ませてくれる、優しくて穏やかなヤニ。

その名前のままに、「平和」そのもので、姉のパチャや私が、バタバタと忙しく立ち回る傍らでも、どっしりとスローな様子のまま。

急ぐということが単に苦手なだけでもあるのだけど、ヤニからは、スローな生き方を学ばせてもらえるのと同時に、イライラもさせられるというわけです。

たぶん、人を笑わせるのが得意なのは、あのスローペースのおかげかもしれません。(ヤニは人を笑わせるのが大好き。)

ヤニの発言や表現だったり、微妙なジェスチャーだったりを、みんな、辛抱強く待たざるを得ないという感じ、それほど、ヤニの静かな佇まいは目立ちます。
この子、他の子に比べて少し遅れてるんじゃないかしらと思うこともあります。(担任の先生にも、「のんびり」な態度を指摘されるほど。)

でも、ヤニが、ときに驚くほど深い発言をしたり、空間や水中に完璧に計算されたトリックを仕組んで、とびきり美しくて複雑なアートの世界を、時間をかけて創りあげているのを目の当たりにしたりすると、ああ、この子はこの子であり続けるし、この子の生きる道はこの子自身が見つけるものにほかならないと、溜め息とともに思い知るのです。
ヤニは、他のだれでもないし、不本意な何かになるべく矯正されることもないのです。

父親と一緒に暮らしていないせいか、許容範囲を探りつつというか、男らしさを求めてというか、母親の私の限界を底上げしようと向かってくることがままあります。
私は、母グマよろしくパワーを見せつつ応えるのですが、たいていは、和やかに戯れて終わってしまいます。

ヤニの夢中になるものは、創造性やつながりに満ちています。

サーフィンでは、波と戯れながら、自分のバランスで、自分の体に心からくつろいでいます。陸に上がれば、スケボー、しなやかで自由自在です。曲芸みたいなクレイジーな技に挑戦するとき以外は滅多に転ばないし、転んでもまず怪我はしていないようです。
そして、ハートには音楽。いつもいろんなジャンルの音楽を幅広く聴いていて、気に入った曲は、キーボードで弾こうと独学で練習しています。

ヤニ、あなたへの愛ではち切れそうなくらい。

あなたと出逢えたことに感謝。

(翻訳: 荒木雅子)

2014-07-17

Yani - 11 years of age...


Slow MotherDiary

Tomorrow is Yani’s birthday. 

My son will be 11 years old.

I feel so blessed to have shared these years with him.

He has a kind, gentle soul - he makes people feel calm.

He is true to his name: Peace – and while his sister, Pacha, and I, often run around – busy and frantic – he has this solid, slow presence. He just doesn’t function well in a rush…He teaches me, and frustrates me at the same time – about learning to go slow…

Maybe that slower pace is what makes him so good at making people laugh – that’s what he likes to do the best. His stillness draws people’s attention – forced to wait patiently to catch his words, expression or subtle gesture…Sometimes I think he is simply a bit behind everyone else (even his teacher has commented on his ‘laid back’ attitude!) – but then he will say something so deep and profound, or take the time to create the most beautiful, intricate art or land a perfectly calculated trick in the air or sea…and I just sigh and realize that he will be who he is and that he’ll find his way in life. He is unique and will not be molded into anything that is not true to his soul…

He has missed out on having a father around and sometimes he pushes the boundaries with me – looking for the edge of tolerance, maybe for some masculinity – and I respond, showing him my power, like a mother bear…but most of the time we indulge in gentleness and fun.

His greatest passions are full of creativity and connection – surfing, playing in the waves - absolutely at home in his body, in his balance…On land he skates – graceful and free – he rarely falls – despite trying some pretty crazy tricks – and even then, never seems to hurt himself…And he has music in his heart – always listening to a wide range of styles and teaching himself how to play his favourites on a keyboard.

Yani, I could burst from the love I feel for you – Thank-you for coming into my life…



2014-07-01

新たなスローライフの組み立て


2014615日分

ここ数週間、私たち家族の家の上の階に新たな生活空間を創るため、私はのんびりとリサイクル品を集めてきました。変化はしばしば何らかの形で軋轢を招きます。なので、私は時々、母親に対して、そのような家の改造は良い結果をもたらすだろうとやさしく安心させなければなりませんでした。

(15年間、母は2階の部屋を下宿人に貸していたので)家を再び完全に開放して使えるようになったのは素晴らしいことで、2階のバルコニーで、母が水浴びを楽しんだり、日光浴を満喫したりできるので、私も嬉しく思います。30年前に植えた木々のおかげで、ここからの眺めは、私たちだけの緑のオアシスのようです。この小さな裏庭の空間には熱帯雨林があって、鳥たちの天国になっているほか、高速道路の排気ガスを取り除いてくれます。ハーブやサラダの材料が植えてある小さな野菜畑もあり、一段低いところには果物の木も植えてあります。

階上の台所は、今ではほとんど仕上がりました。私は、再利用できそうなイケアの中古の流し台をわずか500ドルで見つけることができました!わたしは、それを我が家の頼もしいライトバンで建設現場から運び出し、すべてが具合よく収まるように何度か出かけ、しまいにはパチャとヤニに、それらの部品を階上に持っていくのを助けもらいました。母は、子供たちが頑強だと驚いていました!

私たちは、それぞれの空間を立ち入らないようにしたり共有もしたりと両方の使い方ができることで、より軽快でかつより自由に感じるのだと思います。

パチャとヤニの情熱は家の中に満ちあふれ、サーフィンの用具が家のど真ん中に置かれるようになりました!楽器もそこら中に散らばっています。そして、私にとって目下最高の楽しみの一つは、YouTubeのハウツー学習映像を見てキーボードの使い方をヤニが自習するのを見ることです!それは完全に彼の内から生じた自由な形によるものであり、ある日、彼の準備が整い、その才能を世間に披露してくれるのを楽しみにしています!もちろん、パチャは、生まれた時からこれをやっていて、彼女の新たな取り組みを人々に見せることに決して飽きないのです!

私たちは、たとえ冬でも、ほとんど毎日海岸にいますが、子供たちは決して波に退屈したり飽きたりすることはありません。今は、壮大なザトウクジラが通り過ぎていくシーズンで、私たちはいつも自然からの贈り物-鷲、イルカ、ペリカン、飛び跳ねる魚の群れ、鴎の群れ、ここが高層リゾートアパートの影になるせわしない市街地だというのに!-に祝福されていて、人生がいかに貴重なものであるかということを思い出させてくれます。

パチャのサーフィンと生気あふれる精魂は、あるサーフィンの会社の目に留まり、(通常我々の予算では買えない)服やウエットスーツを提供してもらっています。それは、私たちと私たちの「スロー・スモール・シンプル」のライフスタイル指向にとっては、少し怯んでしまうようなことですが、多少の援助なしには、競争社会の中に入り、必要な装備をすべてそろえてやっていくことはたいへん難しいのです。(サーフィンをすればするほど、サーフボードが傷つくことも多くなります!)-なので、私たちは、バランスを保ち、自分たちが何もので、どういうものを欲してまたは必要としているのか明らかにしておくことに全力を尽くすことにしたのです。都会はいろいろな機会と誘惑に満ちています-「居心地が良いこと」と自分自身らしくあることとの間には明確な区別があり、それは最終的にはパチャとヤニが自ら理解しなければいけないものなのです。


(翻訳:平戸実生)