2012-06-30

6/21和訳:「夏(冬)至の日」によせて


こちら南半球の世界では、今日で冬の曲がり角を過ぎました。

今日は雲ひとつない美しい青空の日で、これからお日さまの暖かさと昼の長さがちょっとずつ増えていくんだと自分に言い聞かせています。保存しておいた種を選り分け、春に向けてベジガーデンの植え付けの計画を立てる作業はとてもワクワクするものです。

そして、心の奥では、日本でのキャンドルナイトのことを考えています。たくさんの日本の友人が、家族や地域の人と集まり、電気のスイッチを消して、その代わりに夢や祈り、そして希望や再生に向けたビジョンにスイッチを入れる様子に思いを馳せています。

台風が日本の南を移動している映像を、キャンドルナイトの前に見て、人間がどれだけ自然をコントロールしようとしても、自然の力にはとうてい及ばないことを改めて感じました。日本にとって今まさに大事な時であり、日本の人々が取り組んでいる脱原発運動が成功するよう祈っています。

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パチャのクロスカントリーレース

ここオーストラリアでは、屋外で焚き火をしながらパンケーキを焼いたり、屋内でだるまストーブに鍋をかけてスープをとろとろ煮て、夜を過ごしています。週末には友人たちと海辺に集まり、冬至を一緒に祝う予定です。私たちは、こんな昼の短い日でさえも、いのちとのつながりを育もうと決めました。


毎年、一年のこの時期には、忙しさを減らし、もっと休むことを心がけてきました。でもどういうわけか、私の毎日はまだまだあまりにも慌ただしいのです・・・。


「忙しい」理由のひとつは、パチャとヤニのスケジュールをやりくりしなければならないこと。というのも、ダンス大会や陸上競技会、タレントオーディション、歌の集いやランニングとサーフィンの州大会など、全て来月に予定されているのです!

彼らの専属マネージャーでいるだけでも忙しいのに、さらに、壊れた水の配管や車の修理、庭の手入れ、馬のオリーの世話、料理や洗濯(洗濯機が動かないので手洗い)もあるのです。そして、これらの合間に、ようやく、私がいちばん大切にしていることに時間を使うことができます。それは国際的なパラダイムのシフトに向けて働きかけることです。


この数ヶ月間、私はヘレナ・ノーバーグ=ホッジ(ローカリゼーション運動のリーダー)とISECの仕事を支援してきました。偉大で素晴らしいアイデアがこの地球上でまたたく間に広まるのを見られることは、知性を刺激され、励まされることです。


フェイスブック、そして大手メディアの論調からさえも、私は何かがいい方向に動き出していると感じます。断絶されたつながりの回復や本質的なものへの憧れ、慈愛を求める心に対する共感の高まりが見られるのです。


最近少し疲れ気味でしたが、今は、全てのことを心からありがたく感じます。目を向ければ、いつだって自由や美しさ、喜びはそこにあり、私たちは意義深い人生を送ることができるのです。

【翻訳:小山邦子】

サーフィンには洗濯物を干すヒモが必需品!

2012-06-21

Solstice


Pacha and Yani surfing last weekend
beautiful beach sky









Slow Mother Blog  
Solstice
Today we have ‘turned the corner’ of winter in our part of the world. It is a beautiful clear blue-sky day today and I convince myself that there is tiny increase in the warmth of the sun and length of the day since yesterday! I excitedly contemplate sorting out my saved seeds and planning the next stage of the vegie garden!
In the back of my mind I’ve also been thinking about candlenight in Japan –  seeing, in my minds eye, many friends getting together with their families and communities , switching off the lights and switching on their dreams, prayers and visions of hope and renewal.  The image of the typhoon moving through the south of Japan just before candlenight, reminded me of the forces that are so much more powerful than mere humans, despite our futile attempts to control them.  It is such an important time for Japan and I pray that the people’s movement to let go of dangerous nuclear power is successful…
...important to have a clothesline...
Here, in Australia, we have had a few evenings cooking damper on a bonfire outside, or simmering soup on the pot-belly stove inside. On the weekend we’ll gather with our friends on the beach to celebrate solstice together. We are determined to nurture our connections with life – even on these shorter days. We’ve also been trying to remember that we should be ‘doing’ less and resting more in this time of year – but somehow life is still too hectic.
Pacha - cross-country racing
It’s partly the juggling of Pacha and Yani’s seemingly endless activities: dance concerts, athletics carnival, talent show, singing eisteddfod, along with competing in state running and surfing competitions – all within the next month!  Its busy being their fulltime manager - along with repairing broken water pipes, getting the car fixed, managing the garden, caring for Ollie, cooking and cleaning (including hand-washing – the washing machine has stopped)…In the spaces in between all this I get to spend time on the most important thing of all – working toward a global paradigm shift…


Over the past couple of months I’ve been working to support Helena Norberg-Hodge (leader of the localisation movement) and ISEC’s work.  It has been so intellectually stimulating and invigorating to be witnessing the big, good ideas sweeping across the planet. As I watch the trending topics on facebook (and even on mainstream media) - the yearning for meaning, reconnection, a sense of authenticity and reality, the call for compassion – I sense that something is shifting in a good way. 
Despite feeling a little tired lately, I feel so very grateful – for everything! For being able to live a meaningful life - with freedom, with awareness of the beauty and joy that is there in every moment if we remember to look…

2012-06-09

6/6和訳:「遊び」を取り戻す

21世紀において、私たち大人は、子どもたちの互いに触発され高め合っていくための純真さ、無垢さ、きらめき、知恵、直感といった素晴らしい資質に学ぶべきでしょう。若い世代こそが、輝かしい未来である平和な世界に向けて主導的な役割を担っていくのです。「地球上が平和で満ちあふれますように(May Peace Prevail on Earth」」とは五井平和財団が掲げるスローガンです。

先週末、私は子供たちや若い人々が、平和で生きる目的に満ちた姿を観て、明るい将来のひとしずくを垣間見た気がしました。金曜日の夕方、子供たちと私は仲の良い友人が持っていたドキュメンタリー映画「Play Again」の自主上映会を手伝いました。この映画はアメリカの10代の若者たちが、デヴィッド・スズキ、ビル・マッキンべン、リチャード・ルーブといった影響力のある大人たちとともに、デジタル社会での暮らしから、自然に還っていく体験を追ったものです。

上映会にいた観客のほとんどは、少人数だったとはいえ、現代の子どもたちが1日15時間もデジタル技術の中で過ごしていること!にすでに気付いていました。つまり、この映画を本当に必要とする子どもたちは、今も家の中でテレビやコンピューターゲームをしている・・・そう思うと少し悲しくもありました。

ここにいる私たちは皆、可能な限り外の自然のなかで過ごそう、「ホンモノの時間」を生きよう、という生活スタイルをすでに選択しています。映画を観ながら、「この映画が人々がコンピューター依存症から降りる手助けとなりますように」と願うなんて、皮肉なものですね。

しかし私にとっては、その場にいた子どもたちこそが、夜のホンモノの主役であり、ポジティブな変革を喚起するために私たちが必要としているお手本でした。

開場時、パチャは自発的に受付に立ち、人々を迎えながら、鑑賞料の寄附を受け取っていました。ヤニは皮をむく必要のあるマカデミアナッツをいくつか手に取り、何か手伝うことはないか、主催者にきちんと確認していました。

子供たちは自分のやったことが褒められる機会があれば、どんどん参加してくるものです。ヤニに引き続き、いろんな子どもたちが、マカデミアナッツの皮をむき、観客に分けるためにボウルに分けるといったお手伝いをしてくれました。私たちが人と会ったり、挨拶をしていたり、大人同士で連絡を取り合っている間、その場にいた十人くらいの子どもたちは、誰ひとり、電子機器なしで、一緒に遊んでいました。パチャは年下の女の子たちにダンスの動きをいくつか教えてあげていて、ヤニは男の子たちと外で念入りに木の実を割っていました。

上映会がスタートするころには、隣に座った女の子の髪をおさげに結ってあげるヤニや、友人の一歳の赤ちゃんをあやすパチャなど、子供たちみんなが、信頼関係に基づいた接し方をしていました。それは、とても平和で、ただしいあり方でした。
現代グローバル社会の象徴である強力なデジタル文化がどんなに強力であっても、お互いつながっていたいという深いところにある本能が今も存在するんだということが、このような愛らしい形で証明されました。

私たちが電子的なノイズを出来る限り制限しながら子供たちを優しくサポートできれば、彼らは自分たちの中で、秩序を保つことができます。そして、私たちは皆何とかしてそのことを理解せねばなりません。それが、未来にむけて希望はまだあるという望みにつながるからです。



翌日は、パチャが地域のサーフ大会に参加するため、朝5時に出発し、2時間半かけて南にあるスコットヘッドへ出かけました。そこに行くにはそれなりに出費がかかります。しかし、私たちは何よりもサーフィンを優先したので、子供たちは楽しそうに節約していました。私は少しでも食べ物にかけるお金を節約しようと、レンズ豆と御飯を持って行きました。私たち家族が一番好きなスポーツはサーフィンなのですから!

私にとってサーフィンは、母なる大地の血液である塩辛い海の中で、自然ともっとも深くつながる経験ができるものの一つです。毎回私たちはサーフィンマジックにかかります。イルカ、カメ、クジラにあったり、荒れ狂う流れにあったり、海が刻々と変化する様子を見たり。時々、フィンが壊れたり、頭にこぶができたり、パドリングで腕を痛めたり、といった苦痛を伴います。時々私たちはとても強い波の力を目の当たりにし、その深い海の中の「裏側」では、一体何が私たちの真下にひそんでいるのかという恐れを感じます。

不快だし、砂まみれになるし、寒いこともあるし、予測できないことがたくさん起こるけれど、いつも私たちは”生きている”という感覚を満たしてくれるのです。そして毎回私たちは少しずつうまくなるので、また何度も何度も行きたくなるのです。筋肉は鍛えられ、バランス感覚は改善され、勇気と謙虚さが発達し、冷たい水と暖かい太陽とで刺激され、血液のめぐりがよくなり・・・ そう!サーフィンに完全にやられてしまっています!

サーフィンという競技については少し複雑な思いがあります。というのも正直サーフィンを愛する心というのは、実に内面的で神秘的であるので、競争するということと相反するのではないかと思っているからです。それなのに、地元のボードライダースクラブの中にはいって、見て、学んで、うまくなりたいと願う私たち。(ああ、我々人間の持つ矛盾ですね!)

パチャとヤニが上達するとともに、彼らは周りの子供たちにも影響を与えます。それは、一生懸命努力したり、テレビの前に座る代わりに、両親にビーチに連れて行けとしつこくせがんだりといったことをやってみようとすることです。・・・これは良いことだと思いませんか?

私たちは新しい人々、新しい場所に期待でいっぱいでした。メインテントまで歩いていくと、パチャは12歳以下の女の子の部でたった一人の挑戦者だということがわかりました。それ以外には18歳以下の部に一人しかいなかったのです!男子の部はたくさんあって、18歳以下、16歳以下、14歳以下、12歳以下、と予選が行われていました・・・パチャもそこに行こうとしましたが、自分自身と戦うために離れました。水の中で一緒にサーフィンをしている多くの若い子供たちの特別なエネルギーが集まると、波を最大限に活かすため、少なくとも5時間は水の中で過ごすことをやめません。

ようやく本日一番のハイライトである、女の子部門の予選の時間がやってきました!主催者はパチャと18歳以下の競争相手、ココと一緒にしました。-そして20分の予選にヤニも参加させたのです。

ココは自分のサーフィンの腕前を審判に印象付けることにに気をもむ代わりに、ヤニとパチャが波に乗れるように助けることにほとんどの時間を費やしました。あの日の競技会にいた誰もが献身的なココの振る舞いの影響に感激しました。パチャとヤニにとっても、真の良いサーファーとして、また真の人間としてどうあるべきかを学ぶ、よい機会となったことでしょう。



【翻訳:間宮加奈子】

2012-06-06

Playing Again


Slow Mother Blog
Playing Again…
“In the 21st century, adults shall learn from the wonderful qualities of children, such as their purity, innocence, radiance, wisdom and intuition, to inspire and uplift one another. The young generation shall play a leading role in the creation of peace for a bright future.

May Peace Prevail on Earth”
Last weekend, I watched as the children and young people showed glimpses of a bright future, full of peace and purpose…
On Friday evening the kids and I helped our good friends hold a movie showing of the documentary ‘Play Again’ (http://playagainfilm.com/). It follows the experience of American teenagers experiencing nature again (after a lifetime of the digital world) with commentaries by such inspiring people as David Suzuki, Bill McKibben and Richard Louv.  It was a little sad that every member of the rather small audience were already very much aware of the problem - with modern children spending up to 15 hours per day on digital technology – and that most people who really needed to watch it were probably at home - inside - watching TV or playing computer games. All of us there had already made lifestyle choices to spend as much time as possible outside in nature, living a ‘real-time’ life. It was also ironic that we were hoping that watching a movie would help us wake people up to spending less time watching screens! 
But to me, the children there were the real stars of the evening and the example we need to inspire positive change. As we were waiting for the audience to gather, Pacha volunteered to be at the front counter, welcoming people and receiving their donation for the viewing. Yani spotted some macadamia nuts that needed peeling and politely asked the hosts if he could help. All the kids that came in from that time had a practical, rewarding thing to do then - working together to peel macadamias and put them in a bowl to share with the audience.
Out of the corner of my eye, as we were meeting and greeting and ‘catching-up’ with the adults, I saw all the kids (10 in all) playing together – none had an electronic device of any kind. Pacha was teaching the younger girls some dance moves, Yani was diligently cracking nuts outside with the boys. As the event started, Pacha entertained our friend’s one year old baby while Yani began braiding the hair of the girl who sat beside him, and all the kids just settled down in trust and in physical contact with each other – so peaceful, so right.
It was just such a lovely reassurance that despite the intense influences of the modern, global, digital culture – the deeper instincts of connection with each other, with practical purpose, with nature - were alive and present. If we can just gently support our children, do our best to limit the electronic ‘noise’, be honest that it is there in their world and we all have to somehow make sense of it  - there is still hope in finding a way forward.
The next morning we set off at 5am to travel 2 and a half hours south to Scotts Head for Pacha to participate in a regional surf competition. It’s a pretty big commitment to get there – but the kids seem happy to do with less so that we can make this a priority. I prepared lentil dahl and rice to bring along so we wouldn’t need to spend any money on buying food.
As a family we have decided that surfing is our favourite ‘sport’. For me it is one of the most profound experiences of connection with nature, in that great salty ocean – blood of Mother Earth. Everytime we surf magic happens; dolphins, turtles, whales, raging tides, the changing moods of the sea. Sometimes there is pain involved; fin chops, bumps on the head, aching arms from paddling… Sometimes there is fear as we face the power of the mighty waves and wonder what lurks underneath us way out ‘the back’ in the deep sea. It can be uncomfortable and sandy and cold and notoriously unpredictable – but it always makes us feel fully ‘alive’. And every time we surf we get that little bit better, which makes us want to go out again and again. Our muscles strengthen, our balance improves, our courage and our humility develops, our circulation stimulated by the cool water and the warm sun…Yes; we are smitten by surfing!
The competition side of surfing is always a little complicated – in truth competition is the antithesis of the love of surfing – that’s so intensely personal and mysterious. Yet, being part of the local boardriders club, watching and learning and wanting to improve, motivates us all to want to do better (ah the contradictions of our human existence!).  As Pacha and Yani improve they influence the kids around them to give it a try - or to try harder, to nag their parents to take them to the beach instead of sitting in front of their flat screens…this has to be a good thing?
So there we were, full of anticipation, in a new place with new people, walking up to the main tent and realising that Pacha was the only competitor for the under 12 girls division – there was only one other girl in the under 18s competition!  There were heaps of boys, with many heats taking place for the under 18s, 16s, 14s and 12s…but there was Pacha, rearing to go, left to compete against herself! It didn’t stop the kids from spending at least 5 hours in the water taking full advantage of the waves with the special collective energy of many young kids in the water all surfing together.
Finally, the great highlight of the day came when it was time for the girl’s heat. The organisers sent Pacha and the girls under 18 year old competitor, Coco, out together  - and even let Yani out to join in their 20 minute heat. Coco spent almost the whole time helping Yani and Pacha get onto waves instead of worrying about impressing the judges with her own surfing prowess. The influence of that selfless behaviour on every person who was at the competition that day, was priceless. Pacha and Yani have had a deep lesson in what makes a really good surfer and a real human being.