2015年3月31日掲載分
先週末、ヤニは来年から通う地元の高校で、ミュージック・エクセレンス・プログラム※のオーデョションを受けました。(※通常のカリキュラムの他に提供されるプログラムで、選ばれた学生のみが参加し音楽の技能を磨く)
ヤニは本格的な音楽のレッスンを受けたことはありませんが、音楽が大好きで、YouTubeのビデオを見ながら独学でキーボードの弾き方をおぼえました。
私はヤニに、彼がそのプログラムに採用されるべき理由を学校への手紙に書くようにいいました。彼はこのようなことを書きました。
「ぼくの名前はヤニです。ぼくはピアノを弾くのが大好きです、なぜなら音楽はいつも自分の心にあるからです。
リズムは、どこに行っても、ひとりだと思っているときでさえ、いつでも影のようにそばいます。歩くときには、一歩ごとに違うビートが刻まれます。サーフィンをするときも、いつも頭の中をビートが巡っています。ピアノを弾くときには、ビートは音楽の音として出てくるのです。
ぼくが演奏するのは、すべての曲に意味があるから。そう、あらゆるものには目的があります。ピアノを弾くときにぼくが聴く音は、その意味と目的を奏でる音楽なのです。
ぼくはこれからもずっと音楽が大好きですし、音楽界に入っていけるように、一歩一歩ベストをつくすつもりです」。
親というのは誰でも、自分の子どものためにできる限りのことをしてやりたいと望むものです。何よりも難しいのは、彼らのために自分が取る選択肢が正しいものだという絶対の確信をもつこと。
子どもたちのありのままの自己と真の情熱をサポートできるのは、親として最もワクワクすることであり、これまで音楽のレッスンやそうしたチャンスといったものにお金を払うことができなくて時につらい思いをしてきました。
しかし、彼らはどうにかして自分の道を見いだしていくものです。夢を追いけかけながら、自分自身を発見しながら、そして未来につながる自分の道をつくることができるのは彼らなのだということを受け入れながら。
【翻訳:小形メグム】